《超ボカニコ2018》1日目(後半)の魅力、セトリまとめ
アニメ、ゲーム、コスプレから、鉄道、はたまた自衛隊まで、サブカルチャーが一同に集まる、ニコニコ動画最大の公式イベント『ニコニコ超会議』。今年も幕張メッセを貸し切り、4/28(土)、4/29(日)の2日間に渡って開催されました。そのイベント会場内の一角で、人気ボカロP達がノンストップでボカロ曲を流し続けるオンリーイベント『超ボカニコ2018』が盛大に行われました。
ボカロオタクである僕も、本イベントに観客として参加してきました。前回に引き続き、超ボカニコ1日目(後半)の魅力とセトリをまとめていきます。
《前回の記事》
1日目(後半)の魅力とセトリ
"cosMo@暴走P" さん
ニコニコ動画で700万回以上の再生数を誇る『初音ミクの消失』をはじめとして、数々の名曲を世に送り出しているcosMo@暴走Pさん。超高速のメロディに、人間では歌うことが難しいほど早口の歌詞。ボーカロイドの特徴を生かした曲が魅力的ですよね。
今回のライブでも、BPM200を超える、疾走感溢れるセトリで会場を盛り上げていました。
特に印象に残ったのは、2曲目の『バンブーソードガール』。サビ部分の「バンブー!バンブーバンブーバンブー!バンブーソード!」というキャッチーなフレーズが頭に染みついて、つい口ずさんでしまうこと間違いなしです。
cosMo@暴走Pさんのセトリは以下のとおり。
"有機酸" さん
しっとりと落ち着きのある曲調の中に、どこか寂しさを感じさせる歌詞。そのメロディセンスは、『打上花火』などで知られる女性シンガー"DAOKO"さんも絶賛するほどです(参照:DAOKOがメロディセンスを大絶賛! 新世代ボカロP「有機酸」)。有機酸さんの音楽作品のほとんどの絵を担当している"東洋医学"さんの絶妙な色使いも相まって、作品全体の独特な世界観に惹きつけられた人も多いはず。
人気ボカロPであるバルーンさんと仲がいいことも、ファンの間では有名です。
ライブで特筆すべきことは、
- 有機酸さんの代表曲『退紅トレイン』arranged by バルーン
- バルーンさんの代表曲『シャルル』arranged by 有機酸
の2曲が流れたことです。
おたがいの楽曲をカバーし合うこの2曲をセトリに入れたことが、ふたりの親しい関係を表しているようで、思わずほっこりしてしまいました。
この2つの曲を含めた、有機酸×バルーンの共同アルバム『facsimile』。
実は、去年の「超ボーマス(超ボカニコ会場のすぐ横に設置された、ボカロ関係のCD販売会)」において、有機酸さん、バルーンさんのふたりで、この『facsimile』を新作CDとして販売していたんです。
今回、超ボカニコ出演者の立場で参加した有機酸さんにとって、バルーンさんと共に活動してきたこれまでの時間は、かけがえのないものだったのではないかと思います。
有機酸さんのセトリは以下のとおり。
"和田たけあき(くらげP)" さん
『チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!』、『キライ・キライ・ジガヒダイ!』など、複数のミリオン達成曲を持つボカロP。中毒性の高いメロディに、思春期特有の考え方・価値観を風刺的に表現した歌詞が特徴です。
今年の3月に、アルバム『わたしの未成年観測』でメジャーデビューを果たし、その勢いはとどまることを知りません。
ライブではバンドボーカル&ギターを務める、和田たけあき(くらげP)さん。
僕が特に気になったのは、メジャーアルバム収録曲のひとつ『ぼんじんパレード』。
「凡人だからといって、天才に毎回敗北するわけではないと、僕は思っています。」
曲の前振りでそう語った和田たけあき(くらげP)さん。
彼は以前、初音ミク10周年記念アルバム発売に際して行われた対談(参照:初音ミクの10年~彼女が見せた新しい景色~|和田たけあき(くらげP)が考えるボカロ衰退論の真相「むしろ2012年の状態が異常だった」 (1/3) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー)の中で、次のようなことを言っていました。
2016年に「チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!」を出したのも、自分の中ではある種のカウンターだったんですよ。2014、2015年に活躍したn-bunaくんとOrangestarくんは、かつて僕がやりたかった情緒的なロックをやって人気になって、でも自分の曲はそれなりにしか評価されてなかった。それを目の当たりにして「僕は天才ではない」と改めて思い知らされたときに、「凡人の自分が人を楽しませるには、天才に対してカウンターでなければいけない」と思って、あえて当時の流行とは違う情緒的でない激しい曲を作ることにしたんです。
自分が凡人であるから、天才と普通に勝負していたら勝てない。なら、凡人は凡人なりのやり方で天才に反撃してやろう。
『ぼんじんパレード』には、そんな和田たけあき(くらげP)さんの「凡人」に対する思いが詰まっている気がして、演奏が終わった後でもメロディが頭に残ったままでした。
ぼんじんパレード - 和田たけあき(くらげP) / Parade of Mediocre People - KurageP
和田たけあき(くらげP)さんのセトリは以下のとおり。
- ビーストダンス /和田たけあき(くらげP)
- チェチェ・チェック・ワンツー! /和田たけあき(くらげP)
- キライ・キライ・ジガヒダイ! /和田たけあき(くらげP)
- ぼんじんパレード /和田たけあき(くらげP)
- おどれ!VRダンス! /和田たけあき(くらげP)
- トラッシュ・アンド・トラッシュ! /和田たけあき(くらげP)
- チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダッ! /和田たけあき(くらげP)
ところで、バンドメンバーとして、キタニタツヤさんがベースを弾いていましたね。
リスナーの方が送ってくださった、和田バンドでのおれの写真なんですが、完全にこれでウケてます pic.twitter.com/8ZteXbKag1
— キタニタツヤ (@hello_tanitasan) 2018年4月28日
"sasakure.UK" さん
184cmの高身長ながら、おっとりとした雰囲気を持つボカロPさん。
初期の家庭用ゲーム機サウンドのようなピコピコ音、独自の物語を込めた表現豊かな歌詞・挿絵、「ささくれ節」と呼ばれる目が覚めるような転調が、聴く人をささくれワールドに引き込みます。
ライブの醍醐味は、sasakure.UKさん本人によるサンプラーの生演奏を聴けること。
サンプラーというのは、曲などの色々な音の一部を取り込み、その音を演奏にあわせて任意に再生することのできる楽器のことです。
実際にsasakure.UKさんがサンプラーを演奏している動画がこちら:
ピアノもギターも殆ど弾けない自分の、演奏できる唯一の楽器がこちらになります🌞#楽器の日 pic.twitter.com/d9YeNqoKUk
— sasakure.UK(ササクレユーケイ) (@sasakure__UK) 2018年6月6日
まだ、ライブに行ったことがない人は、『*ハロー、プラネット。』を作曲者本人の生演奏で聴ける贅沢を、是非味わってもらいたいです。
sasakure.UKさんのセトリは以下のとおり。
- quiz /sasakure.UK
- アンチグラビティーズ /sasakure.UK
- トゥイー・ボックスの人形劇場 /sasakure.UK
- ぼくらの16bit戦争 /sasakure.UK
- 或る街のギギ /sasakure.UK
- Mr. Wonderland /sasakure.UK
- S∀MPLING MΘNSTER /sasakure.UK
- タイガーランペイジ /sasakure.UK
- ネガポジ*コンティニューズ /sasakure.UK
- ワンダーラスト /sasakure.UK
- *ハロー、プラネット。 /sasakure.UK
- 39 /sasakure.UK × DECO*27
"DJ'TEKINA//SOMETHING" さん
ミリオン達成曲『Leia』をはじめ、ラウドロック調の重厚な音作りが特徴のボカロP・”ゆよゆっぺ”さんの 、DJ活動の際の名義が”DJ'TEKINA//SOMETHING”。メタルダンス・ユニット "BABYMETAL" を含め、さまざまなアーティストへの楽曲提供など、幅広い活躍を見せています。
ライブでは、DJ'TEKINA//SOMETHING さんが身振り手振りしながらステージ上を駆け回り、本当に楽しそうに曲を流していたのが印象的でした。見ている僕たちまで楽しくなってくるような、彼のキャラクターも魅力の1つだと思います。
DJ'TEKINA//SOMETHINGさんのセトリは以下のとおり。
- Lilily☆Nation /DJ'TEKINA//SOMETHING
- Shake it! /emon
- WAVE /niki
- ハト /秦野P
- Ievan Polkka
- シャルル /バルーン
- ロストワンの号哭 /Neru
- DYE /AVTechNO
- パンダヒーロー /ハチ
- 彗星ハネムーン /ナユタン星人
- All Right /DJ'TEKINA//SOMETHING
"ピノキオピー" さん
『腐れ外道とチョコレゐト』や『すろぉもぉしょん』といった代表曲にみられるように、社会問題や人間臭さに言及した曲が特徴のボカロPさん。マルチクリエイターとして、イラストにも定評があります。『どうしてちゃん』や『アイマイナちゃん』といった独自のキャラクターを生み出し、LINEスタンプにもなっています。
最近では、人気ブロガーのARuFaさんのキャラソンを作曲したことでも話題ですね。
ARuFaさんのキャラクターソングを作りました https://t.co/7xW9fUilgr
— ピノキオピー (@pinocchiop) 2018年5月21日
ピノキオピーさん、以前のライブではお面を被って顔を隠しているイメージだったのですが、今回のライブでは顔を出していました。
以前、『祭りだヘイカモン!』CD制作の際のインタビュー記事でライブに対する思いを語っていましたが、今回の顔出しは「見に来ている人と積極的にコミュニケーションをとって、みんなが楽しめるような場所をつくりたい」という気持ちの表れなのかなと思いました。
持ち味である、初音ミクと一緒に歌うスタイルで会場を盛り上げていました。
ピノキオピーさんのセトリは以下のとおり。
"kz(livetune)"さん
初音ミクが誕生した2007年当初から現在に至るまで絶大な人気を誇る、ボカロ界を代表するミュージシャンのひとり。一番有名なのはやはり、Google ChromeのCMのために書き下ろされた『Tell Your World』でしょうか。ボカロを聴かないという人でも、一度は耳にしたことのある人も多いはず。
1日目ラストの出演者ということもあり、場内の盛り上がりは最高潮に。
セトリのうち、ぜひ聴いて欲しい曲は『SEVENTH HAVEN』。アイドルを育成、プロデュースするiOS / Android用の音楽ゲームアプリ「Tokyo 7th シスターズ」のためにkzさんが書き下ろした曲です。
一度聴いてみると納得できると思いますが、イントロからサビに至るまでの全てがとにかくカッコいい。サビの部分の歌詞「Ah」の掛け声に合わせて観客全員でジャンプした時の一体感はライブでしか味わえない楽しさです。
2015年~2017年の超ボカニコでは2日目のトリを務めていましたが、今回初めて1日目のトリで出演したkzさん。ライブ終了後の雑談で、
「やっぱ初日は元気ですね(笑)」
と1日目ならではの観客のエネルギーを感じたようで、聞いていた僕たちも思わず笑ってしまいました。
kz(livetune)さんのセトリは以下のとおり。
おわりに
超ボカニコ1日目(後半)の魅力を書かせていただきました。ボカロ文化に少しでも 興味を持って、超ボカニコに限らず様々なボカロイベントに参加される人が増えてくれればと思います。
次回は超ボカニコ2日目について投稿できたらと。2日目は昼まで超歌舞伎を観ていたので、キタニタツヤさんからの紹介になると思います。7/14(土)の『ボカニコinニコニコ本社』に行こうと思っているので、それまでには書き終えたい...。
\ 夏も #ボカニコ がアツい。/
— ニコニコ本社 (@nicohonsha) 2018年6月12日
7/14(土) 18:30より
『ボカニコinニコニコ本社』開催!
気になるDJは…
・Misumi
・sasakure. UK (LIVE) に決定!
ニコニコ本社でボカロ好きの仲間ときっと出会えるはず! https://t.co/pCUqMtX0By pic.twitter.com/KtYrExsF34
余談ですが、 前回記事を投稿してから、文章力を上げるために、何冊か書き方関連の本を読みました。反省点はいろいろある気がしますが、前回よりは見やすい記事に仕上がっていると思いたいです...。
最後まで読んでいただきありがとうございました。