れんちの備忘録

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ゆとり世代社会人が日々の中で調べたこと、考えたことのメモ

ムンクを知らなくても楽しめる!ムンク展のみどころを紹介

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エドヴァルド・ムンク『叫び』(1910年?)

こんにちは、れんち です。

先日、東京都美術館で開催されている『ムンク展』に行ってきました。

ムンクの作品は『叫び』しか知らないのに楽しめるのか?」
正直不安なところがありましたが、行ってみると予想以上に面白い!

 行こうかどうか迷っている方に、僕が思うムンク展の面白さをご紹介します。

概要

ムンク展の開催概要は以下の通り。
※変更がある場合がありますので、必ず公式サイトをご確認ください。

(公式サイト:ムンク展―共鳴する魂の叫び|東京都美術館

  • 期間:2018年10月27日(土) ~ 2019年1月20日(日)

 

  • 時間:9:30~17:30   (入室は閉室の30分前まで)
    ※<金曜日、11月1日(木)、3日(土・祝)は 9:30~20:00
  • 休室日:月曜日、12月25日(火)、1月1日(火・祝)、15日(火)
    ※ただし、11月26日(月)、12月10日(月)、24日(月・休)、1月14日(月・祝)は開室
  • チケット料金:当日券 | 一般1,600円 / 大学生・専門学校生1,300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1,000円
    (オーディオガイド料金:550円)

 

当日券を館内のチケット売り場で買う場合、列に並ぶ可能性があります。「並ぶのが嫌だなー」って方は、上野駅構内のチケットショップを利用すると、並ばずに買えてオススメです。

  • 場所:公園口通路の、3番線の階段脇
  • 営業時間:8:30~16:30(金~19:30)月曜定休 ※祝日は営業

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 (引用:チケットショップ|エキュート上野|楽しいことがキュ~っと詰まっている駅、エキュート

みどころ

ムンクの生涯を追体験しているような感覚を味わえる

通常「○○展」と名前のついている企画展は、その画家の作品以外にも、その時代の画家などの関連する作品が多数出展されます。そのため、さまざまな絵画が見られる楽しさがあります。

しかし、今回の企画展である「ムンク展」、なんと展示されている絵はすべてムンクの作品!

 

これはすごいことなのですが、

ムンクの作品といえば『叫び』しか知らないのに楽しめるのか…。」

という不安がありました。
もしムンクの作品に共感できなかったら、他の画家の作品がないため、全然楽しめずに終わってしまうからです。

 

でもやっぱり、『叫び』は見てみたい。
「まぁ、興味がわかなかったら『叫び』だけ見て帰ればいいか」
と軽い気持ちで行くことにした展覧会。

 

ムンクをよく知らなくても楽しめるように、展示の構成が工夫されています。

その構成ですが、会場内は9つのセクションから構成されています。

  1. ムンクとは誰か
  2. 家族-死と喪失
  3. 夏の夜-孤独と憂鬱
  4. 魂の叫び-不安と絶望
  5. 接吻、吸血鬼、マドンナ
  6. 男と女-愛、嫉妬、別れ
  7. 肖像画
  8. 躍動する風景
  9. 画家の晩年

ムンク展に入場してまず始めのセクション「1.ムンクとは誰か」は、彼の自画像・自撮り写真で構成されています。セクション冒頭の解説文とともに、ムンクがどのような人であったのか、彼の心の内側にあった感情がどういったものだったのか理解するための、自己紹介のようなセクションでした。

 

続く2~9までのセクションは、初期から晩年にかけてのムンクの作品を時系列的に、かつ、死や不安、愛といったテーマで展示してあります。

 

『私の芸術は自己告白である』

と本人が言っているように、ムンクの作品には自らの内面を色濃く映し出しているものが多いです。そのため、セクションに沿って絵画を見ていくことで、彼の画家としての生涯を追体験しているような感覚で味わえた気がします。

 

さらに、音声ガイドを利用することをお勧めします
福山潤さんのナレーションが素晴らしく、ムンクの世界をより深く理解できると思います。

 

名作『叫び』を深く知ることができる

4つめのセクションに展示されている『叫び』。
極端な遠近法。赤く燃えるような空、フィヨルドの大地のうねり。

 

確かに、ムンクについて何も知識がない状態でこの作品を見ても、絵画正面で耳をふさぐ人物の「不安」や「恐怖」といった感情が強烈に伝わってきます。

 

しかし、これまでのセクションで、ムンクの家族を襲った悲劇にまつわる作品を見た後では、見る印象が変わってくると思います。幼少期における母、そして姉の死。さらには、デッサンを学ぶためにパリに留学していた最中に襲った父の訃報。

 

幾度となく絶望、苦悩を経験したムンクが描いた『叫び』は、まさにムンク自身の魂の叫びを表しているのだと感じました。

 

私は2人の友人と歩道を歩いていた。太陽は沈みかけていた。突然、空が血の赤色に変わった。私は立ち止まり、酷い疲れを感じて柵に寄り掛かった。それは炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった。友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま不安に震え、戦っていた。そして私は、自然を貫く果てしない叫びを聴いた。 

 (引用:叫び (エドヴァルド・ムンク) - Wikipedia

 

『叫び』以外にも、見ごたえのある作品がいっぱい

度重なる死の喪失を経験したムンクですが、人妻との恋愛など愛憎入り交じる女性との交際を経て、男女に関係する数々の作品を残しています。

例えば、こちらの作品『マドンナ』。「聖母マリア」のことを指すのですが、この作品からは一般的に知られている聖母マリアのような純潔さが感じられません。

 

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エドヴァルド・ムンク『マドンナ』(1895/1902年)

 

また、精神病を患っていたムンクですが、晩年は病気を乗り越え、色鮮やかでエネルギーに満ちた作品も残しています。

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エドヴァルド・ムンク『太陽』(1910-13年)

『叫び』の印象が強く、僕はムンクのことを暗い絵を描く画家と思っていました。
確かに、初期の頃の作品は暗いものが多い印象です。しかし、上に挙げたように恋愛や、風景にまつわる作品という別の一面を見て、単に暗く悲しい絵だけじゃないと感じました。

 

おわりに

ムンク展』はムンクの作品を『叫び』しか知らない人にとって、彼の絵画だけではなく、どのような人であったのか、その生涯を知ることのできる素晴らしい企画展だと思います。

何を言いたかったのかというと、
ムンクをよく知らなくても十分楽しめるよ!」
ということです。上野に寄った際には、ぜひ行ってみてください。

 

ちなみに、売り切れが続出している「ポケモンコラボグッズ」ですが、「ぬいぐるみ・叫びピカチュウ」等、再販分も終了したようです。今のところ再販の予定は無いようです。

詳しくは公式HPをご覧ください。
(コラボグッズの売り切れ情報について:FAQ | 【公式】ムンク展ー共鳴する魂の叫び

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

※本記事で掲載しているムンク作品の画像は、ポストカードをスキャンしたものです。ムンク作品に関してはパブリックドメイン(公有)となったという認識で掲載しておりますが、問題があれば削除致します。